多汗症治療【ボツリヌス治療】の詳細
人より多くの汗をかいてしまうので、生活に支障が出てしまったり
精神的にも影響が出てしまう事もある多汗症。
夏の間は、周りの人も汗をかくのでまだ目立ちにくいかな?
と思っても、止めどなく流れ出てくる多量の汗はやっぱり
目立ってしまいます。
そして、腋窩多汗症の場合は薄着になる事で、
脇の汗染みが目立ってしまうので、とてもナーバスになってしまいますよね。
『ボツリヌス治療』という方法があります。
今回はボツリヌス治療について、知ってみましょう。
多汗症・わきが治療、【ボツリヌス治療】
ボツリヌス治療は、との名の通り
「ボツリヌス菌」を原料として安全なたんぱく質を生成し、
そのたんぱく質、ボツリヌス・トキシンを利用して治療を行う方法です。
医療用のボツリヌス菌として、眼科・神経内科などでは
以前から眼瞼・顔面痙攣などの治療に用いられてきました。
美容整形外科では、『ボトックス注射』と言われています。
耳にした事がある!と言う方も多いのではないでしょうか?
多汗症治療としての効果は?
多汗症治療としては、
ボツリヌス菌注射を患部の皮下に注入することで
交感神経の末端で発汗を促しているアセチルコリンの分泌を
抑制して、過剰な汗の分泌をブロックし、多汗症の症状を改善します。
軽度のワキガにも効果があり、多汗症・ワキガの治療方法として
皮膚科や美容外科で治療を実施しています。
効果は注射後2~3日で現れ始め、そこから徐々に効果が高まっていきます。
持続期間は3か月~6か月と言われています。
実際の効果の程度や、持続期間には個人差があります。
一度の治療で半年以上の効果を実感される方、
3か月程度で効果が薄れ他と感じる方もいます。
注入できる部位は?
ボツリヌス治療(ボトックス注射)を施術できる部位は
- 脇
- 額
- うなじ
- 掌
- 足の裏
の部位で、腋窩多汗症のみではなく、
手足の局所性多汗症の治療としても利用されています。
クリニックによって、脇以外への施術をしている場合と、脇のみの場合があるので
施術可能な箇所を確認してから受診すると良いですね。
施術の仕方や痛み、施術後の痛みや腫れは?
ボツリヌス治療(ボトックス注射)の施術時の痛みや
施術後の痛みや腫れなどは、これから治療を受けてみたい方には
気になるところですよね。
ボツリヌス治療の施術
- 麻酔をする
- 注射を打つ場所にマーキング
- 脇や汗の気になる患部に複数か所、注射器を刺して
ボツリヌス・トキシンを注入
と言いう流れになります。
自由診療では、麻酔クリーム・麻酔シール・局所麻酔などを使用する
クリニックが多いそうです。
クリニックによっては、麻酔クリームと局所麻酔を両方使用して
施術時の痛みをできる限り消してくれる事もあるようです。
治療を受ける際には、痛みに強いのか弱いのか、
どのような麻酔をしてもらえるのかを医師に
確認・相談するなどして治療を進めるようにしましょう。
施術後の痛みや腫れ
ボツリヌス注射の施術後は、麻酔が効いているため
患部はボワーンとした感覚になります。
徐々に麻酔が切れてきて、気になるのは患部の違和感だそうで
皮下にボツリヌス菌を注入しているため、
患部が膨らんだような感覚と
注射の針の痕が赤く腫れたりしています。
痛みは時間と共に消えますし、針の痕も数日できえますが
施術日には患部を隠せるような服装を心がける事も、覚えておきましょう。
ノースリーブ等は要注意ですね。
治療は保険適用されるの?
ボツリヌス治療(ボトックス注射)は
『原発性の腋窩多汗症』にのみ保険が適用されます。
これは、
特別な原因が無いのに、生活に支障がでるほど脇の汗が出る病気と言う意味です。
先ずは『原因不明の過剰な脇の発汗が半年以上、続いている』と言う
前提があり、
更に、以下の6項目の中で、2つの項目に当てはまると保険適用となるそうです。
- 両方の脇で同じくらい多くの汗をかく
- 脇の汗が多いため、日常生活に支障が生じている
- 週に1回以上、脇に多くの汗をかくことがある
- このような症状は25歳より以前にはじまった
- 同じような症状の家族・親戚がいる
- 睡眠中は脇汗がひどくない
その他の場合や他の部位への施術は、保険適用外です。
料金は保険診療と自由診療で、数万円の差があります。
クリニックによって金額に多少の違いがあるので
数か所を比べてみましょう。
まとめ
ボツリヌス治療(ボトックス注射)は
- 脇以外にも手・足・額・うなじ等の部位の汗に施術可能
クリニックにより脇のみの事もあるので要確認です - 麻酔はクリニックによって使用する種類が違う事も
- 原発性腋窩多汗症は保険診療で治療可能
- 効果は3~6か月ほど、一年中汗を止めたい場合は
年に数回治療をする必要があります - 施術後の違和感や注射の痕は数日で消えます
- 施術当日は注射の痕が赤く目立つので、患部を隠せる服装を
治療を受ける際には、
施術可能な箇所、麻酔の種類、治療をしたい患部の施術料金
などを問い合わせて、自分が納得のいくクリニックで
受診の予約をとるようにしましょうね。
クリニックによっては、施術後に効果が弱い場合には
低価格で再度施術をするなどのアフターサービスをしている事もあります。
その点も確認してみると、安心して治療を受けられますね。